高知県のノーリフティングケア宣言について

オーストラリア看護連盟の取り組みに端を発したノーリフティングケアは、介護や看護の現場において人力のみの移乗を行わず、リフトなどの福祉機器を活用しようというケア方法です。ノーリフティングケアを実践すると、介護職員の腰痛や疲労蓄積といった身体的負担を大きく減らすことになるほか、介助される利用者の自立を促すことにもつながるそうです。そのため、日本では高知県が2016年度に全国に先駆けて「ノーリフティングケア宣言」と称し、「持ち上げない・抱え上げない・引きずらないノーリフティングケア」をスローガンに掲げ、県をあげての積極的な推進活動をスタートして注目を集めています。

高知県の主な取り組みとしては、ノーリフティングケアの理解を促進させるために、ポスターやパンフレットを配布したり、環境改善のための補助金制度や成功事例を創り出すために、モデル施設の指定などを行ったりしています。また、そのほかにも、管理者向け研修やリーダー研修をはじめ、ソフト面での支援にも注力することで、介護の質や利用者の自立の向上など、短期間で成果を出すことにも尽力しています。

そのため、県内ではノーリフティングケアを導入する事業所が徐々に増えはじめ、移乗ケアで腰を痛める介護職員が減少すると共に、職場定着率や人材不足解消にも明るい兆しが見られるようになっているそうです。こうした高知県の取り組みは、行政が一体となってノーリフティングケアの普及に取り組むことの必要性を明確に示したことにより、全国の自治体の模範となっています。